’85年式オースチンローバーミニ1000 MkⅢ仕様
今回ここで紹介するミニ1000 は、MkⅠ仕様に比べてある意味少しマニアックな仕様ともいえるMk Ⅲ仕様に仕上げられた1 台だ。レーシーに味付けられた車体の雰囲気やエンジン、さらにはオーナー自ら手を入れた内装など、見どころたっぷりな車体を紹介しよう。
DIY精神が宿る小気味よいミニ1000
時代の流れとともにEVが世の中の注目を集めるなか、独特のクラシカルなスタイルがますます個性的な輝きを放つクラシックミニ。未だ多くのファンを魅了し続けているが、今回紹介する’85年式ミニ1000オーナーの小林さんも、小学生の頃に見たミニにひと目惚れ。以後、今年で車歴36年を超えるという筋金入りの愛好家だ。
カスタムのテーマは、ご覧のとおりのMkⅢ仕様。新車でリリースされた当初から、完成度の高さゆえ全世界から高い評価を得ていたモデルだったMkⅢ。その仕様へのモディファイは、モダンな雰囲気を持ちながらも十分にクラシカルな空気感を纏っているとあって、現在でも多くのミニ乗りたちから根強い支持を受けている。
アルムホワイトのボディカラーとルーフやオーバーフェンダーのブラックカラーとのツートーンが目を惹く1台だが、そこに漂うレーシーな空気感とともにエンジンもチューンナップ。キャブはSU1-1/4のツインを選択してハイカム仕様に。もともと小気味良い走行フィーリングであるミニ1000の持ち味を存分に引き出したその走りは、乗って楽しいミニをまさに体現するものだ。足回りは純正だがホイールには10インチのコスミックMkⅡをチョイスし、よりクラシカルな雰囲気を演出している。
さらに「赤のビニールレザーは自分の手で張り替えました」という内装も自慢のひとつ。落ち着いた外装とは対照的なカラーリングで個性が際立っており、DIYという手法でクラシックミニを存分に楽しんでいるのも車歴の長い小林さんらしいところだ。
アルムホワイトとルーフのブラックのツートーンカラーが目を惹く一台。細部までコンディションの良さが伺える、とても状態のいい車輌だ。
オールドミニらしいSU 1-1/4キャブを装着
ミニらしい軽快さある乗り味が楽しめる998ccエンジン。キャブはオールドミニの定番ともいえるSU1-1/4のツインを装着。さらにはハイカムを組み込むことで、よりホットな走りの味付けとなっている。
エクステリアも王道のMkⅢ仕様でまとめる
ホイールは雰囲気あるコスミックMkⅡの10インチとし、フェンダーミラーは砲弾型でレーシーに。ツートーンのテールランプもMkⅢ仕様として外せない王道スタイルだ。日英自動車をオマージュしたステッカーもユニーク。
DIYのビニールレザーシートで個性を演出
落ち着いた外装カラーとは対照的な真っ赤なビニールレザーシートは、オーナーの小林さん自ら張り替えたというこだわりポイントだ。ステアリングにはオースチンのホーンキャップを、またルーカスのルームミラーなど細部も抜かりなし。
こだわりが感じられるフロント回り
グリルは通称MkⅢグリルの穴あきタイプ。ヘッドライトはルーカス、フロントエンブレムはレイランドマークのものを装着。英国自動車協会の「AA」グリルバッジも当時の雰囲気を醸すことにひと役買っている。
Owner:小林裕司さん
走りもモディファイも、自分らしく楽しんでいます
小学生のときに見たミニにひと目惚れしてから、ミニに乗り出して36年というミニフリーク。乗って楽しむだけではなく、内装のシート張り替えを自ら行なうなど、DIY精神を併せ持つ。これからは愛車コンディション維持が目標とのことだ。