From MT女子の英国&ミニ探訪記 vol.13【番外カナダ編】木村スズノさん

思い出総集編(カナダ番外編2)

〜ついに国際免許でドライブしました!〜

「MT免許ペーパードライバー娘」の新旧ミニを訪ねて の巻【13】

 カナダ編の第2弾、お待たせしました。さて、今回のレポートは総集編ということで、カナダで滞在した2ヵ月間で印象に残っているシーンをいくつかみなさんにシェアしていきます。特に、クルマやバス、電車に乗っていてあった出来事や感じたこと、車窓からの景色などを中心に、一種の思い出日記のような形で振り返っていきたいなあと。カナダ編は今回で最後となりますが、読んでいただけたら嬉しいです。

 まず、印象に残っていることひとつ目! 現地に着いた初日のホストファミリーのクルマのなかから見たカナダの景色です。飛行機が遅れて、夕方5時くらいに着いたのですが窓の外はまだまだ明るくて、お昼時かと錯覚するくらい。前回のレポートでも書いたように、英国の小さな街にいたワタシには、カナダのすべてが大きく感じて「また新しい場所に来たんだなあ」と新鮮な気分になったのをよく覚えています。高速道路に乗ったあたりで、ホストの娘さんがセブンイレブンで買った謎の揚げ物を「あなたも食べる?」とワタシに差し出してくれて、気になったのでいただくことに。いままでの自分だったらなんとなく反射的に遠慮してしまって、この謎の食べ物の味を知ることもなかっただろうなあと思うと、こんな細かいことでも少しですが自分の変化を感じます。もちろん、ワタシの性格の問題でもありますが、日本にいると、控えめだったり遠慮がちな佇まいがマイナスに捉われることって割と少ないし、むしろそういう態度が評価される文化でもありますよね(ときと場合によりますが)。でも、ほかの国では、基本的に変に気を遣ったり、遠慮がちな性格が評価される場面は少なくて、NOならNO、YESならYES! とはっきり自分の意見をいうのが普通です。コチラとしては気を遣って行動していたつもりが、アチラには全く理解されていなかったり……。どちらの文化が良い悪いとかではなくて、こんなにも違う考え方があるんだなあと。そんな気づきがあるのは留学したからこそかなあと感じることのひとつです。ちなみに、その謎の揚げ物の正体は、いまだによく分からないんです。なにかの加工肉のようで、味はイマイチでした(笑)。

 さて、ふたつ目! 学校に行くまでの初日のバスのなかでの出来事。前日にホストマザーが教えてくれて買ったバス&電車の両方で使えるマンスリーパス(1ヵ月分で58カナダドル、約6千円くらい)を運転手さんに見せてバスに乗ると、大きなバスの車内には乗客が1名だけ。そのうちのひとりはアジア人で、なんとなく雰囲気が韓国人ぽいなと思っていたら、お互いに目が合ってとりあえずニコリ。そのあと彼女とは特に話すこともなく、バスを降りるとお互い違う道へ。しかし、なんと学校で入学手続きを終えた後、受付で待っているときにそのときの彼女にまた会ったんです! 彼女もびっくりした様子でこちらに近づいて来て、「さっき会いましたよね!?」と。話すうちに、同じ年齢かつ偶然クラスも一緒で、しかも家も近いことがわかったので、彼女とはイッキにここでの一番の仲良しに。忘れられない出会いでした。ちなみに、彼女にラブミニでのレポートをしている話をしたら、「ミニは可愛いって韓国でも人気だよ」といって、英国での友人同様に、ミニを見つけると写真を撮って送ってくれるようになりました。ワタシの(日本語の)レポートもGoogle翻訳しながら読んでくれたりして、いいお友だちができました。

英国の街中では意外と見なかったクラシックカー。カナダではたまに見かけることがありました。バスのなかから見かけたと思ったら通り過ぎてしまって写真に残せていない場合がほとんどだったんですが、見かけるたびにお友達と、「見てあのクルマ!」と言ってかっこいいね、と話したりしていました。調べるとワーゲンバス(フォルクスワーゲンタイプ2)というモデル。サビもなくキレイでした。

 3つ目に印象的だった景色。それはカルガリーから、湖などの自然が美しいバンフという観光地に行くまでの道のりで、バスのなかから見た景色です。バンフまではバスで3時間くらいかかるので、朝5時に家を出て向かったのですが、途中で朝日が昇るのが見えて、それが本当にキレイだったんです。早朝の時間頃って、5分経つごとにだんだん明るくなってきて、全然違う雰囲気になるんですよね。なにもない田舎道でも、空の様子がだんだん変わっていくのが楽しくて、寝て行く予定だったのに全然寝られませんでした。さらに、太陽が完全に昇ってからも、バンフに近づくにつれて窓の外から大自然の雄大な景色が見えるように。周りには人もクルマも少なくて、広い道に大自然の美しい景色、最高のドライブコースだなあと。それで、「次はクルマを運転していこう!」と決めました。これまで懐で温めていた? 国際免許をやっと出す決意をした日です(笑)。

 ということで、4つ目!そうです、ついにクルマを運転した日の出来事。クラスで仲良くなった韓国人のお姉さんがクルマを持っていて。数人のお友だちを連れて一緒にクルマをお借りしてバンフに行くことに。そのときについに運転しちゃいました! 事故が起こり得ないような(笑)、大自然が広がるま〜っすぐ続く道を運転するのは気分爽快でとっても楽しかったです。AT車とはいえ久しぶりの運転でちょっと緊張しましたが、とても運転しやすい道だったのですぐに慣れて、景色を楽しみながら行くことができました。こんな大自然のなかを自由に走れるなんて、なかなかあることじゃないよなあと、ドライブを満喫することができました。この日のことは、とてもよく覚えています。そのとき、運転しながらちょっとだけ留学前に北海道でレンタカーで富良野のあたりをドライブしたときのことを思い出しました。免許取りたてだったそのときもそうだったのですが、今回もガソリンを入れるのにちょっと手間取ってしまって(笑)。実はお姉さんもそんなに運転に慣れていなかったみたいで、一緒に試行錯誤しながらなんとか乗り切りました。そんなことも、いまとなれば良い思い出です。

 さて、次はカルガリーの電車の話も少しだけ。もちろん、バスだけではなくダウンタウンまで行く電車もあるのですが、Cトレインと言ってダウンタウン内では路面電車のような乗り物として運行しています。ただ、カルガリーのこのCトレインは、東京のように複雑で多様な路線が通っているのではなく、路線はたったふたつしかないんです。それに、チケットを通す改札もない! 完全に信用乗車なんですね。ヨーロッパでも何度かこの信用乗車方式を見ましたが、カルガリーでも採用されているとは(ちなみに、バンクーバーなどの大都市では改札があるんだそう)。ワタシはバスと電車を利用できるパスを持っているので、毎回チケットの心配はせず電車に乗れてラクラクです。しかし、信用乗車とはいえ、どのくらいの人がちゃんとチケットを買っているのかは謎です……。というのも、点検の頻度が本当に少なくて。滞在していた2ヵ月間で、1回しかチェックがなかったんです。さすが(?)住みやすい街ランキング上位のカルガリー、交通事情がとってもシンプル。そんなCトレイン、車内はバスに比べると混んでいて、座れないこともしばしば。でも、電車には本当に様々な人種の人がいて、乗っていて面白いんです。ありがちな感想ですが、こうして電車に乗っていると、世界には本当にいろんな人がいるんだなあと。ふと、なんだか不思議に感じることがありました。

 最後に、ちょっとしたエピソードを紹介します。日本に帰国してからほどなく、本格的に冬が始まって雪が積もりだしたカルガリー。クルマを持っている韓国人のお姉さんが教えてくれたことですが、雪が積もると、カルガリーの道路にはいつも小石が振りまかれるんだとか。それであるとき、彼女がクルマを運転中、反対車線のクルマとすれ違った直後に、跳ねた小石がフロントウインドーに直撃! 不幸中の幸いで小石はガラスを貫通せず怪我はなかったそうですが、バリバリにヒビ割れてしまったそう。ガラスの交換代は車輌保険でも降りないので、交換するのに10万円かかると嘆いていました。それに、また小石が飛んできて割れるかもしれないから、と冬シーズンが終わるまでは変えられずに、割れたまま過ごさなければいけなくなったそうで。ちょっとびっくりしました。小石を振りまくんじゃなくて、もっといい方法はなかったのかな? とも思いますが、それがカルガリーでのやり方なんですね。

 さて、少し長くなってしまいましたが、番外カナダ編レポートはこのへんでおしまいです。英国、そしてカナダでの滞在を通して、いろいろな国々の人やクルマに出会い、その都度体験した話をこうしてレポートにしてみなさんにシェアしていくことができて、とても楽しかったです。編集部を通じて読者のみなさんからの反応も多少ですが聞かせてもらったり。意識してクルマを見るようになって、ミニはもちろん、もっともっとクルマの魅力に気づくようになったし、運転したいと思うようになりました。レポートを書く機会をいただいて、そして読んでくださるみなさんがいることに感謝感謝です。ではまたお会いできることを楽しみにしています!