From MT女子の英国&ミニ探訪記 vol.12【番外カナダ編】木村スズノさん

カナダ探訪記

~新しい生活と現地の交通事情~

「MT免許ペーパードライバー娘」の新旧ミニを訪ねて の巻【12】

 英国を飛び立って8時間、カナダのカルガリーという街にやって来ました。8月から10月下旬までの2ヵ月間、ここで新しい生活をすることになり、やっと慣れた英国での生活から離れることに寂しさを覚えつつも、新しい環境にワクワクしていました。初めて上陸したカナダは、英国とは違ってカラッとした雲ひとつない良い天気。特に今回わたしが訪れたアルバータ州にあるカルガリーは、カナダ主要都市のなかでも年間を通して天気がよく、雨があまり降らない地域のひとつなんです。カルガリーはトロントやバンクーバーに比べて日本人にとってはマイナーな都市なので、聞いてもあんまりピンとこないかもしれませんが、シアトルなどアメリカに近いカナダ西部の国際都市です。1988年に冬季オリンピックが開催された都市なので、寒い地域として記憶している人がもしかしたらいるかもしれませんね。わたしは8月からの、カルガリーの短い夏の期間で滞在したので過ごしやすい季節でしたが、10月後半からは雪が降り始めて本格的な冬がはじまるらしく、真冬の最低気温はなんとマイナス40度にもなるんだとか! 日本人からするとどれくらい寒いのかもあまり想像がつかないですよね。

 そんなカルガリーはカナダではトロント、バンクーバーに次いで第3の都市、なんて言われていますが、実際に訪れてみると思ったよりも意外と田舎っぽい印象です。ダウンタウンこそ高層ビルが立ち並んでいるものの、少し郊外に出るとな〜んにもない! という感じでした(笑)。空港にはホストファミリーが迎えに来てくれたのですが、とても親切で明るく楽しいフィリピン人のファミリーで、わざわざ家族みんなで迎えに来てくれて、暖かく受け入れてくれたのがとても嬉しかったです。ホストのクルマに乗ってホームステイ先の家まで行く途中、窓から見えたのはただただ果てしなく続く何もない広大な土地!  英国の小さな街にいたからか、余計にすべてが大きく感じて、反動なのかなんだか新鮮でした。

 カナダの交通事情ですが日本と反対で右側通行。運転席も左なので運転するのは混乱しそうだしちょっと怖いなあと思っていましたが、とにかくどこも車道が広いので、むしろ英国よりも運転しやすいかも……なんて思ったりしました(伝家の宝刀「国際免許」はまだ抜いていませんが)。ただホストファザーの運転を見ていて気づいたのですが、ここでは赤信号でも右折するときは一時停止してから安全が確認できれば、信号に関係なく右折できちゃうんです。最初、ホストファザーが赤信号なのに無視して右折したと思って、すごくびっくりして混乱したのですが、あとで、ネットで調べると「(アメリカやカナダなどでは)そういう、それがルールなんだ」と安心したのをよく覚えています(笑)。そんな感じの交通ルールはあるものの、基本的にはこの街の人たちは、なんとも親切で穏やかなのもあって運転マナーも良く、運転しやすそうだなあと感じたものです。

 ホストファミリーの家は郊外の住宅街にあって、ダウンタウンにある学校まではバスを使って約1時間弱かかります。カルガリー……、というよりカナダ自体が大きい国なので、基本的にクルマ社会なんですよね。カナダでは16歳から免許が取れますが、それも納得。クルマがないと、本当にどこに行くにも不便なんです。わたしはクルマがないのでバスで学校まで通っていましたが、配車間隔は30分に一本で、さらに途中で乗り換えが必要でした。それからかなり困惑したのが、道路の工事があちこちで一斉に行なわれていて、バス停が毎回変わってしまうこと。実はカルガリー、一年のほとんどが冬で雪が積もっている期間が長いので、7月ごろから10月までの短い夏の期間に集中して道路工事を行なうそう。理由はもちろん納得できますが、降りたかったところが工事中で停車せず遠回り……なんてことがしばしばで、なかなか不便でした。

 ただ、カナダの人たちってとっても親切で、バスに乗っている時間はかなりわたしのお気に入りの時間でもありました。毎回バスに乗る際に軽く挨拶しながら乗るのですが、その度に運転手のおじさんもニコニコしながら応えてくれて。また、最初にバスに乗っていて驚いたのが、みんなバスを降りる時に「ありがとう!」と大きな声で言ってから降りるんです。運転手さんも毎回「どういたしまして」と応えていて、なんだか素敵です。日本でも、前ドアから降りるときには運転手さんに近いので「ありがとうございます」と言ったりもしますが、ここでは後ろのドアから降りるときも、距離があるにもかかわらずほぼ全員が運転手さんに向かって大きい声で挨拶してから降ります。最初は慣れていなくてちょっと戸惑いましたが、わたしもすぐにこの文化に慣れました。お互いいい気持ちになれるので、ちょっとしたことでも毎回挨拶することは大切なんだな、と改めて感じるようになったのも収穫です。カナダの人たちはみなさんとても感じが良くて、バスの車内でも知らない人同士で「あなたの髪型ステキね」とか、お互い褒め合っている場面によく遭遇しました。自分が褒められたときだけでなく、ほかの人たちのそういうやりとりも、なんだか良いなって気分が和みますよね。

 さて、ここまでカナダの最初の印象をずらっと綴ってきましたが……ミニ好きのみなさん、ミニに関するネタがなくてごめんなさい。ここに来てからあんまりミニを見かけなかったんです! 英国ではあちこちで探さなくても見かけていたミニですが、カナダではそもそもミニのような小さいクルマがあんまりメジャーではないようで、トラックのような大きなクルマ(GMCやフォードなど)が多い印象です。とはいえもちろんミニも全くいないワケではなくて、ダウンタウンを散歩しているときに運よく見かけることは何度かありました。そして実は英国でもほとんど見かけなかったクラシックミニ、一度ドライブスルーのハンバーガー屋さんから出てくるのを見かけたんです! ただ気づいた頃にはもう出てしまって、そのとき両手が塞がっていたので写真が間に合わず……。みなさんにシェアできず残念です。青のシンプルなクラシックミニで、ピカピカだったのを覚えています。実はカナダでは意外とクラシックカーを見かけることが多くて。いつも走っていてすぐに通り過ぎてしまうので、写真が撮れないことが多くて残念なのですが…その話は次回またちらっとお話ししたいなあと思います。

 さて、今回はカナダバージョン初回で、ミニとはあまり関連のないレポートになってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。では次回のレポートをまたお楽しみに。