From MT女子の英国&ミニ探訪記 vol.06【英国ケント州】木村スズノさん

潜入! クルマとバイク好きの集まるカフェ、エースカフェロンドンへ

「MT免許ペーパードライバー娘」の旧き佳き英国と新旧ミニを訪ねて の巻【6】

 先日、ロンドン北西部にあるクルマ・バイク好きが集まるカフェ、「エースカフェロンドン」に行ってきました。ということで、今回はそのときの様子をみなさんと共有したいと思います。

 エースカフェロンドンは1938年にお店をオープン。1969年に一度閉店していますが、その後リニューアルオープンを果たし、今日まで長年愛されてきたロードサイドカフェです。特に長距離ドライバーをはじめ世界中からライダーたちが集まる憩いの場として人気のある場所なので、きっとこの記事を読んでくださっているみなさんのなかには、すでにご存知の方も多いのではないかなと思います。お店はロンドンの中心地から少し離れた郊外にあり、近くに環状道路が通っているのですが、見渡す限りまわりに他のレストランやカフェはなく、エースカフェだけがドンっと店舗を構えている印象です。

 入口に向かって歩いていくと、すでにお店の前で愛車と一緒に記念撮影する人の姿がちらほら。またライダースジャケットを着た人たちがバイクを取り囲んで話し込んでいたり、みなさんとても楽しそうです。

 駐車場にはクラシックカーがずらりと並んでいて、みなさん興味深そうに見物していました。どの世代の人たちも、クルマを見ながら何か話をしているときの表情はとってもキラキラしていて、本当にクルマが好きなんだなあ、と見ているだけで伝わってきます。しかも老若男女の別なく国籍も多彩な雰囲気です。ちょっと日本とは印象がかなり違いますね。ちなみに今回訪れた際に並んでいたクラシックカーは英国の歴代タクシー。ニューヨークのイエローキャブに対し、ロンドンではブラックキャブと呼ばれる黒い色のタクシーが主流です。ロンドンタクシーとして40年近く親しまれてきたオースチンFX4など年代別に貴重なクルマが並んでいますが、少しずつ姿を変えながらもどれも洗練されていて、素敵なクルマばかり。現在もロンドンのタクシーは、機能は最新のものでありながらもクラシックなデザインを維持していて、それが歴史ある綺麗な街並みとマッチして素敵なんですよね。

 さて、さっそくお店のなかに入ると、土曜日のお昼過ぎだったこともあり、すでに店内は多くの人でとっても賑わっていました。お客さんは、やっぱりクルマやバイク好きの仲間同士で来ている人たちが多い印象です。わたしもなんとか空いている席を見つけてメニューをみると、意外とたくさんの種類の食事が用意されていました。英国伝統のブリティッシュ・ブレックファーストやフィッシュ&チップス、ハンバーガーから、なんとカレーまで! 訪れる前は、実はあまりメニューに期待をしていなかったので驚きました(もちろんアルコール類のドリンクはありません!)。迷った末に、チリハンバーガーを注文。値段は7.9ポンド、日本円にして1200円ほど。ロンドン市内にある割には全体的に安い価格設定でしたが、ここ最近は円安が続いていて……。円に換算するとやっぱり高いなと感じます。

 それはさておき、カウンターで注文を済ませると、番号札をもらって席で待ちます。すると10分くらいでお姉さんが大きな声で番号を呼んでくれるので、手をあげて「ここにいるよ〜!」と合図すると注文した料理を運んできてくれます。ハンバーガーの味は、可もなく不可もなく……。見た目どおりの普通のハンバーガー、といったところが正直な感想です(笑)。でも、この凝ってない感じがまた良いのかなとも感じます。店内はとっても活気ある雰囲気で、気取っていない、気さくな感じがなんだかいいなあ、と少し羨ましくなりました。

 またお店のなかには小さなお土産物コーナーがあって、エースカフェのオリジナルステッカーやピンバッジ、Tシャツやジャケットなどが販売されています。ステッカーやピンバッジなどは基本的に3.5〜7ポンド(約560〜1120円)、Tシャツは22.5ポンド(約3600円)、そしてショーケース(?)に入ったプレミアム感のあるエースカフェオリジナルのレザージャケットは、750ポンド! 日本円にしておよそ12万円と高額で売られていました。ちなみに、Rockers(ロッカーズ)と書かれたステッカーやTシャツがたくさんありますが、これは1960年代のテディボーイから生まれた英国のサブカルチャーで、黒い革ジャンにジーンズやブーツを履いてオートバイに乗っていた若者たちのことをいうのだとか。かの「カフェレーサー」という名の由来でもあるそうで。だからなのか、現在でもエースカフェにやって来る人たちの大半が革ジャンを着ていました!

実はエースカフェロンドンのオリジナルグッズは日本の公式サイト(※)からオンラインで購入も可能なようで、調べてみるとプレミアムではないジャケットだと3万円ほどで購入できるみたいです。日本にも公式サイトがあるとは驚きましたが、それだけ日本を含め、世界中から長年愛されているファンの多いカフェなんですね。

(※ 編集部註)本場ロンドンのほか、スイス、フィンランド、アメリカ、中国でもエースカフェは店舗展開しているが、日本には現在カフェの店舗はなく、ジャケットやTシャツなどのアパレルやライダー用のプロテクターなどの商品をエースカフェブランドで展開。公式サイトの通販のほか一部バイク用品店でも販売している。

エースカフェ 日本公式サイト
https://acecafejapan.jp/

 さて、今回はミニとは関連のないレポートになってしまいましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございます。エースカフェ、長い間愛されてきた理由がわかる、とってもいい場所でした。クルマ&バイク好きのみなさん、ロンドンに行く機会があればぜひ一度立ち寄ってみてください! ではまた、次のレポートをお楽しみに。

 4月後半から5月に入ってだいぶ暖かくなったので、コートはもうしまっておこうかな……と思った矢先、この日は急に冷え込んだのでカイロを貼ってコートを着込んでロンドンへ向かいました。もう春が来た、と思ったんですが、まだまだ油断できません……。季節の変わり目、みなさんも体調に気をつけてお過ごしください!