MT女子の英国&ミニ探訪記 vol.05【英国ケント州】木村スズノさん

英国の駐車場事情と、念願のクラシックミニとの遭遇

「MT免許ペーパードライバー娘」の旧き佳き英国と新旧ミニを訪ねて の巻【5】

 みなさん、こんにちは。今回は久しぶりにわたしが滞在している田舎町、英国カンタベリーの最近の様子と、ここでの駐車場事情についてお話したいと思います。

 この街に来て約2ヵ月、学校やこちらでの生活にもだいぶ慣れてきました。3月後半までは、一日の間に晴れたと思ったら雪が降ったり、雨と風で肌寒い日が続いたりもしましたが……、4月になって天気もだいぶ安定してきました。曇り空で有名な英国ですが、晴れる日が増えて、日照時間も長くなってきたのでとても過ごしやすい毎日です。午後8時を過ぎるとやっと日が沈み始めるくらいなので、夕方ふと窓を見るとまだ外が昼間のように明るかったりして、驚いています。

 毎朝学校まで30分歩いているので、2〜3月までは寒さに耐えながら頑張って登校していました。でも最近は過ごしやすいだけでなく、暖かくなって道端の花壇のカラフルなお花や桜が咲いていて、学校までの道のりが楽しくなりました。家を出ると大きな桜の木があって。いまはもう散り始めているのですが、風が吹くたびに花びらがひらひら舞いながら散る様が本当に素敵で、毎朝気分がアガります。また、自宅から学校まで歩くのが苦にならないもうひとつの理由が、もちろんこの美しい街並みと、路上に停まっているたくさんのミニたち!

毎朝違う種類のニューミニを見かけるのが登校中、そして学校が終わって家まで戻るときのささやかな楽しみでもあります。

 ふと思ったことですが、ここでは路上駐車しているクルマをたくさん見かけます。というか、日本のように家ごとに自分の駐車場がある、というよりは路上駐車するのがスタンダードなのかな? と思うほど。ということで、今回は英国の駐車場事情について少し紹介します。

 調べてみると、英国では自動車を購入する際、日本では必須の車庫証明などはいらないそう。というわけで、家の敷地内にガレージなど駐車スペースがない人たちは、規制がない場所に自由にクルマを駐めていいのだとか。なるほど、だから路上駐車しているクルマがこんなに多いんですね。また面白いのが、進行方向と逆向きに路上駐車するクルマをよく見かけること。日本では、常識的にあまり考えられませんが、こちらではなんの問題もないそう。向きがバラバラでクルマ同士向き合って駐まっていたり、背を向けあって駐まっているなんてことは日常茶飯事。わたしの感覚からすると、ちょっと異様な光景です(笑)。

 ただ、こんな感じに自由に見えて、意外にも違反に対する罰則はとっても厳しい英国。近くの住民だけ駐車が許可されているというケースや、時間指定がある場所も多いので、その都度近くの標識を確認して従う必要があります。時間帯などの制限はなかなか細くて、これが結構ややこしい……。そもそも、英国での基本的な路上駐車のルールを簡単に説明すると、まず、ダブル・イエローラインと呼ばれている黄色の二重線がある道路では、どんな場合でも駐車は禁止。ロンドンでは赤色の線で、レッドラインと呼ばれているみたいです。また、シングル・イエローラインと呼ばれる黄色の一本線があるところでは、時間帯によって無料で駐車できるのですが、一般的には平日の朝8時から夜6

時までは駐車禁止(もしくは有料)、それ以外は無料で駐車okなところが多いようです。ただ、地域によっては違うところもあるみたいなので、その都度近くの標識を確認しなければなりません。また、路上でよく見かけるのが、四隅が白枠で囲われた駐車スペース。これも黄色の一本線と同様に時間帯などによって条件が変わる駐車スペースです。

 条件を確認して支払いが必要な場合、近くのメーターでお金を払って駐めるルールなのですが、先払いの場合は5分でも出車が遅れるとアウトで、駐車違反切符が貼られてしまうそうです。駐車違反をした場合、高額の罰金(大部分の地域で基本的に£80=日本円で約1万3000円)が課せられますが、14日以内に支払うと半額になるのだとか。また、駐車違反切符を貼られてもなかなか移動しない場合はタイヤにクランプをはめられたり、レッカー車で強制的に退去させられてしまいます。その際、高額な費用を求められるなんてことも珍しくありません(以前、父がロンドンのホテル前の路上駐車スペースにレンタカーを止めたらチケットを貼ったのに翌朝レッカー移動されていて。ロンドン市内だったこともあり高額の罰金を払ったと嘆いていました)。みなさんも、英国でクルマを運転することになった場合は、路上駐車の細かな規則に注意してください!

 ちなみに、もちろんコインパーキングなど民間の有料駐車場もあるわけですが、田舎街のカンタベリーの場合、ぐるっと街を回って確認した限りだいたい1時間£2.5=日本円にして約400円でした。車椅子マークをつけたクルマは、2時間は無料で停められるという表示もよく見かけました。支払いは、最近ではカードやコンタクトレス、電話をかけて支払ったり、アプリを通してなど、キャッシュレスが進んでいるみたいです。カードオンリーと書かれたパーキングメーターをよく見かけたので、都心だけでなく地方までキャッシュレス化が進んでいるんだなあ、という印象でした。

 もうひとつ日本と違うなと感じたのは、バックして駐車するクルマがそんなに多くないということ。日本ではほぼ出やすいようスペースに対して後ろ向きに駐車しますが、こっちでは結構バラバラ、どちらかというと前からそのまま入れて駐車しているクルマが多いみたい。この差は、駐車場の面積の広さなどが関係しているんでしょうか?

 ともあれ、改めて路上駐車のルールを調べてから道を歩いていると、適当に路上に停めているように見えたクルマも、よく見ると黄色の二重線が終わっているところから停めていたり、みんなきちんと規制に従っていたんだなあと気づきました。

渡英後初、ついに街角のクラシックミニ発見‼

そして、なんと! 駐車場事情を調べるべく街を巡っていたら、やっとクラシックミニを見つけたんです! 家の近くの、住民専用の駐車場で発見しました。ブリティッシュレーシンググリーンのこれぞ英国車、という感じのミニです。やっぱりいいですね、クラシックミニ(笑)。次の日、もう一度見たくて同じ場所に向かったんですが、もういなくなってしまっていました、残念……。この街で一度だけ出会えた、幻のミニです。

ついに本場英国の街角で発見したクラシックミニ!! 日産キックスとプジョー107に挟まれるように駐車していたそのミニは、アンテナ位置やエンブレムの形状から察するに、’96年式以前のインジェクション、それも初期モデルのメイフェアと察せられる。ほぼノーマル(おそらくグリル交換している)の状態で残っているのも素晴らしい(編集部)。

 今回ご紹介した英国の駐車場事情、いかがでしたか? 本日もお付き合いいただきありがとうございます。ではまた。