From MT女子の英国&ミニ探訪記 vol.04【英国ケント州】木村スズノさん

ヘリテージ・モーター・センターで発見、ミニのあれこれ【続編】

「MT免許ペーパードライバー娘」の旧き佳き英国と新旧ミニを訪ねて の巻【4】

 前回のレポートで英国の自動車博物館、ヘリテージ・モーター・センターの様子をご紹介しましたが、今回はそこで紹介しきれなかったお土産屋さんのミニグッズたち、そして博物館の隣にあるファクトリーで見つけたクラシックミニをみなさんとシェアしたいと思います。  博物館の出口にあるお土産さんはとても小さなショップでしたが、たくさんのミニグッズが並んでいるので、ミニ好きのみなさんだったらなかなかお店から出られなくなってしまいそう。実際にわたしもかなり長いこと悩んで、小さな店内をうろうろしてしまいました(笑)。どんなミニグッズがあったかというと、まずはたくさんのポストカード! だいたいお土産さんには決まってポストカードがあるものですが、ここにはクラシックミニをはじめジャガーやランドローバーなどいろいろな種類のクルマを描いたポストカードが本当にたくさんあります。どれもレトロな感じがとってもお洒落です。こういうお土産屋さんにあるポストカードを見ると、ミニ関連に限らずつい買いたくなってしまうのですが、そういう経験はわたしだけじゃないですよね、きっと……。結局、散々迷った末に気に入ったミニのポストカードを3枚購入。会計のとき、スタッフのお姉さんがモーリスミニマイナーの描かれたポストカードを指差して、「良いチョイスだね! それはわたしのお気に入りなの」と言ってくれました。

 もちろん、ポストカードのほかにもたくさんのミニグッズが並んでいます。ミニが描かれたコースターやステッカー、キーホルダーなどの小物や、ミニのマグカップやミニカーまで! 特に人目を引いていたのは、1965年のRACラリーで優勝したゼッケン5のミニクーパーのミニカー。細かいところまでよく再現されています。とにかく「お店の商品の半分以上はミニ関連だったんじゃないかな」と思うほど、ミニグッズでいっぱいの店内でした。やはり英国の博物館ということで、ここでもミニ愛&ミニ人気のアツさが感じられますね。

 さて、ひととおり見物してお土産屋さんを後にすると、次は博物館の横にあるファクトリーへと向かいます。ここには、様々な年代、多様な種類の貴重なクルマが(文字通り)ぎっしり詰まって保管してあり、博物館を訪れた人は自由に観覧することができます。1970年代のミニクーパーS (MkⅢ)をはじめ、ブリティッシュ・レーシング・グリーンのボディに白のラインとペイントが個性的な’60年代のオースチンミニバンベースのクーパーガレージサービスバン、ボンネットの盛り上がりが特徴的で愛らしいスタイルのモーリスマイナーなど、珍しいクルマがたくさん。なかなかお目にかかれないクルマばかり並んでいて、見ているだけでとっても楽しかったです。

 クラシックカーってレトロなフォルムが素敵なのはもちろん、クルマの色も本当に絶妙で魅力的ですよね。今回見つけたクルマたちのなかでは、1950年代のモーリスマイナー1000の絶妙な色合いのグレー、それからライレーエルフMkⅠのワインレッドのボディカラーが個人的にお気に入りです。他にも、「9X」と名付けられたプロトタイプの角張ったミニは、フォルムもそうですが色も珍しい黄緑色で個性的だったので印象に残っています。お洒落なスタイリングにお洒落な色合い、クラシックカーっていいなぁ……、とつくづく思います。博物館に一緒に来ていた友人は、もともとクルマ好き! という感じではなかったのですが、館内を周りながら「あれも素敵! これもかっこいい!」と私以上に楽しんでいました(笑)。お気に入りのクルマも見つけたようで、ジャガーのクラシックカーを指差しながら「これが一番好き! 将来こんなクルマに乗りたいなあ」と話していました。

 そんなこんなであっという間に時間が過ぎ、名残惜しさを感じながらも博物館を後にすることに。日帰りの旅だったので(今考えるとバーミンガムにでも一泊すればよかったかも…)、まだ明るいうちに帰りのバスを待ちます。博物館の前には特にバス停のような場所があるわけでもなく、時刻表すらありません。ただバスを降りたときと同じ場所でバスが来るのを待っていましたが、他にバスを待っている人も見当たらず。なかなかバスがこないのでだんだん不安になるわたしたちでしたが、30分ほどしてようやく来てくれました。やはりここは自動車博物館、それも田舎にあるということもあり、ほとんどの人がクルマで来ていて帰り道のバスではなんと乗客は私と友人のふたりだけでした。電車とバスを乗り継ぐ長旅でさすがに疲れましたが、博物館を堪能して、帰りにロンドンも少しだけ観光できて充実感いっぱいの良い一日でした。

上段右はモーリスマイナーで中央はモーリスマイナートラベラー。そして右はライレーエルフのMkⅠ。筆者の木村スズノさんはこのライレーのワインレッドのカラーが特に気に入ったとか。下段はベネズエラ製のミニ「ミニ・コードFA FRPボディ」。車体はなんとFRPでサブフレームとドッキング。この個体は英国に入った1号車だ。ちなみにここで紹介しているミニのは2019年に編集部が取材に行った際、本館で開催されていたミニ生誕60周年の特別展で展示されていた。本誌VOL57(2019年9月発売)でも掲載しているのでご覧頂きたい(編集部)。

 では今回はこの辺で。ここまで読んでいただきありがとうございます。また次回のレポートをお楽しみに。

英国も4月に入り、朝晩は冷えますが日中はだいぶ暖かくなりました。カンタベリーの家の近くに桜が咲いていて春を感じる、ここ最近です。写真は先日、隣町のマーゲート(Margate)という海辺で撮ったもの。ぽかぽか天気に穏やかな海、とっても癒されました。