【MINI SELECT】KAD TWINCAM MINI

KADツインカムミニ

レトロな雰囲気に加え走る楽しさもミニの醍醐味。今回ここで紹介する杉山さんの愛車はKADツインカム。数多くあるミニの系譜のなかでも最速とも言われる名機は一体どんな仕様なのか。最高の相棒をたっぷりと紹介したい。

出会って即購入を決意したミニは、パワフルで官能的なエンジン搭載!

 13年前、とある雑誌に掲載されていたローバーミニBSCCリミテッドを見たことをキッカケに、ミニ乗りとなったオーナーの杉山さん。その後、約1年後に今度はKADツインカムモデルに出会いそれも即購入にて増車。なんとわずか数年でミニ2台持ちオーナーとなった。とはいえ、BSCCリミテッドは10万㎞を越えたあたりで手放し、それかからはこのKADツインカムとともにミニライフを楽しんでいるという。

 KADツインカムといえば、ミニの数ある系譜のなかでも最速とも言われることも多い。英国の小さなプライベートチューナーであった「ケント社」の共同オーナーが、サーキットのレースで勝てるエンジンを目指してAタイプのエンジン専用のツインカムシリンダーヘッドを開発して1990年に誕生。9000回転辺りまで一気に吹け上がるエンジンは、テスト走行で190ps叩き出すなど、強烈なパワーフィーリングは多くのミニ乗りを魅了してきた。もちろんそんなエンジンを搭載しているミニに乗る杉山さんもツインカムの走りに夢中なひとり。前のオーナーもレースをやっていたようで、基本的にはその頃の仕様を引き継ぎながら楽しんでいるという。

「これまで浜松のミニデイなどのイベントには参加していたのですが、昨年からはライセンスもBからAを取得して公認レースに参加しています。もちろんKADツインカムなので走行フィーリングはものすごくパワーを感じますし、乗っていてかなり面白いです。ただ、やっぱり自分の腕はまだまだなので、実際にサーキットで走っていると簡単に抜かれてしまいます」と笑う。

 高回転型のエンジンなので街乗りでは若干乗りにくそうなこともありそうだが、杉山さんいわく至って乗りやすく問題ないとのこと。ただ、サーキット走行だとインジェクションの調子がイマイチな部分もあるので、そこはこれから調整していきたいと考えているそう。キャブに戻すことも検討していたが、ウェーバーなどパーツ類の値段も昨今は上昇しており、おいそれと手が出せないのが現状だ。

 車体に目をやればエクステリアもインテリアもかなりレーシーな仕様に。ワイド化されたボディにイエローがワンポイントで輝くスピードスターマークⅢを履き、マフラーは2本出しというエクステリア。一方、車内は無骨なステアリングやタコメーター、真っ赤なレカロのバケットシートを装着するなどかなりスパルタンな雰囲気。これはサーキットならずとも乗り手をその気にさせてくれるはずだ。

「サーキットで走行していると、足回りがちょっと納得いかない感じもあるので、今後はそういうところも調整していきたいと思っています」。

 今後手を加えていきたい部分の構想を練りながら、走りの腕も磨いていく。また、イベントなどに参加すると同じ趣味の仲間が増えることも楽しみのひとつ、と語ってくれた杉山さん。最高の相棒とともに過ごすミニライフはこれからも充実していくに違いないだろう。

右/KADツインカムエンジンの排気量は1280cc。インジェクション化されており、普段乗りは問題ないがサーキットではやや不調とのこと。今後はそのあたりの調整が課題のようだ。左/無骨なステアリングにタコメーターなど、車内はかなりレーシーでスパルタンな雰囲気を醸す。左ハンドルという仕様も珍しい。

右/フロントのグリル回りはMkⅠ仕様。スポイラーを装着し、かつ車体のワイド化も図られていて、よりレーシーな仕上がりとなっている。左/サイドスカートも雰囲気よく装着されている。立体的で個性的なユニオンジャックのドアのデザインは、フォルム加工したもの。

右/フロントのグリル回りはMkⅠ仕様。スポイラーを装着し、かつ車体のワイド化も図られていて、よりレーシーな仕上がりとなっている。左/サイドスカートも雰囲気よく装着されている。立体的で個性的なユニオンジャックのドアのデザインは、フォルム加工したもの。

上/レース仕様では定番のレカロのフルバケットシートに変更済み。ボディのダークカラーのアクセントとして、真っ赤なカラーリングがひと役買っている。右/運転席までカバーする6点式のロールケージを装着。より乗員保護性能もアップするのはもちろん、サーキット走行への情熱を感じる仕様だ。左/リアにはドラレコを装着。「案外綺麗にモニターに映りますし、バックする際にマフラーをぶつけたりせずに済むので重宝してます」とのこと。

Owner:杉山義光さん

もっともっと、運転技術を磨いていきたい!

雑誌でBSCCリミテッドのミニに出会って以来、13年となるミニオーナー歴。普段はガレージJ&Bにいろいろと相談にのってもらっているそう。実はBMWのM5(V10エンジンのE60)も所有しているという、根っからのスポーツモデル好きのカーガイだ。これからもまだまだ走りの腕を磨きたい、と話してくれた。